お笑い愛犬物語/5  2011年




お笑い愛犬物語81/何でもわかるチョースケ王子 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:5月26日(木) 20時59分

■指差す場所(物)を理解する
 オイラの初老性固有名詞失語症のため、しばしば「アレ」「ソレ」を用いるが、妻子はさほど理解しないのでヤキモキした日常を送っているのだが、チョースケ王子は違う。

 当初は『サンダル持って来い!』と、玄関先からチョースケのロープに絡まって遠くに行ってしまったサンダルら取って来てもらっていたのだが、今では『アレ持って来い』と言えば、それがボールであろうと何であろうと、オイラの指差した物を咥えて持って来る。こういった芸当は知能の低いマック爺などには絶対出来ない芸当である。


■『ここ!』も理解する
 長い散歩の道すがら、広くて荒れ果てた土手や原っぱなどで大便をさせたい時は、『ココ』と指差して、『ヨシッ!』と言えば、そこで大をする。だからスコップやビニール袋を持って歩く必要は無い。以前、道端で用を足そうとしかけたので『ダメッ!』と叱ると、一切れ出しただけで中止し、土手に草むらまでガマンしたというほど名犬チョースケ。

 これがマック爺になると、いつ、どこで排便をするかわからない。しかも何度も!だ。だから散歩の途中に土に埋めるためのスコップは手放せない。っていうか何度教えても理解しない大馬鹿犬なのである。


■排便したら・・・
 チョースケも日に1回は庭で大便をする。仕方ない。1日に1回しか散歩しないからね。で、庭の大便を始末するのは私なのだが、チョースケはその大便をしたことを『申し訳ない』と思っているようで、まだ新しいソレをしたばっかしの時は、犬小屋に篭って反省しているようで、目だけを出して私の出方を伺っている。

 排便をして暫く時間が経ったときは、チョースケは外で普通にしているのだが、大便を見つけた私が『ちぇっ!』と舌打ちをすると、彼はサササッ〜!と小屋の中に入って、目だけを出してこっちを見ているのである。


チョースケも日に1回は庭で大便をする。仕方ない。1日に1回しか散歩しないからね。で、庭の大便を始末するのは私なのだが、チョースケはその大便をしたことを『申し訳ない』と思っているようで、まだ新しいソレをしたばっかしの時は、反省しているようで犬小屋に篭って、目だけを出して私の出方を伺っている。

 そんな時はたいてい私が『ちぇっ!』と舌打ちをするのを知っていて、そうするとさらにチョースケは犬小屋の中で申し訳無さそうに縮こまっているのである。


■あ゛ーっ!
 ウチは玄関にドッグフードの袋を置いている。エサの時以外は犬たちにドッグフードは与えないし、犬たち自身が勝手にドッグフードを盗み食いすることは禁じている。

 これまで何度かチョースケが盗み食いしているのを見かけた時、『こらっ!』と叱ると慌てて犬小屋の中に走りこんで隠れてしまう。彼の中では、盗み食い=悪いこと、と理解をしている。

 で、今夜の夕食時、日に1度の食事を夕方に与えたにも拘わらず、玄関の方でコソコソと紙の擦れるような音がする。妻がそ〜っと覗いて見ると、チョースケがドッグフードを盗み食いしていたらしい。見つかってしまったチョースケはササッ!と玄関から出た。

 私が後を追って玄関から出てみると、チョースケのロープの端っこは・・・犬小屋の中にあった。
(やべえ!見つかっちまった!反省!!)
と、チョースケは早々に犬小屋に隠れたのである。悪いことは悪いって理解しているんだね。

 マック爺の場合は、いいも悪いも無い。食べたいときに食べる。叱られればその時その時で忘れていて、何度でも叱られる。叱られようがどうしょうが、結果は胃袋に入れば問題ないのである。

★本日、パピ姫に会いにチョースケを連れて行った。かわいそうに・・・パピ姫はたったの30センチほどのロープにつながれていて、しかもそれが足に絡んでいる。私らを見かけると悲鳴を上げて訴えていた。かわいそう・・・『子どもが飽きたらいつでも貰ってあげるからね』と、Kさんちの婆さんにコトヅケを言った。



4296.お笑い愛犬物語82/ワシにも怖い物あったんだわっ! 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:6月4日(土) 11時4分
■ワシにも怖い物あったんだわっ!
 散歩の途中でも肩を怒らせて堂々と闊歩するチョースケ兄ぃ。途中でどこの駄犬が吠え掛かろうが完全黙殺。が、俄然それが射程距離に入ると猛然とダッシュして有無を言わず怒涛の攻撃!まさに凶器のような犬だから、絶対に他の生き物には近付けてはイケナイ。なんせ、飼い主の私を除いては、自分が世界で一番強い、と思い込んでいるのだから。

■な、なんじゃこりゃあ!
 で、本日----ロープを引いて藪道を歩いていた。すると道の脇からニョロニョロと言えばヘビのお出まし。長さは1メートルほど。それがいったい何か気付かずに通り過ぎたのだが、私が棒の先で指し示して教えると、超、超、超、パニック!!!

 襲い掛かるのかと思いきや、まるで驚いた牛のようにピョンピョン跳ねて、ヘビから最も遠い距離に慌てふためいて逃げる。
「ほれ、ヘビだよ。行け!」と、命令してもアカン。
(ふ〜ん、サスガのチョースケもヘビにはダメか)
そこでワシがヘビを棒のさきっちょに引っ掛けて、『ほれっ、噛んでみろゃ』と近づけると、やはりビビリまくり。

(ふ〜ん、サスガのチョースケもヘビにはダメか)
ということは・・・大蛇やワニなどにも向かっていかれへんチューことね。ガッカリじゃ。
 いつも子供には、『チョースケとワニだったら・・・ま、ワニの方が強いと思うけど、チョースケも健闘するかもなァ』、などと言っていたのもパア。完全に信用をなくしてしまった。

 ま、犬関係の生存する地域には、あまり大蛇やワニもおらへん。もともと哺乳類はヘビなどの爬虫類に弱い。人間もそう。もちろんワシも。どういうわけか恐怖の裏返しで、攻撃態勢に入ってしまう。それはワシらの祖先が爬虫類と戦って生き抜いてきたという知らず知らず本能にインプットされているからだ。だから類人猿たちも極端にヘビ類を嫌う。

 で、サスガのチョースケ番長さんも、今朝ばかりはかなりビビった様子で、以降の藪道はソロリソロリ。チョット長い棒っきれを見ては避けて通り、下手をすると私の後を歩こうとするかの様子。
「おいおい、それじゃワシのボディーガードは勤まらんよ・・・」

 はい。
昔の放し飼いの犬なら、犬も歩けばヘピに当たるで、何度でも出会っているだろうに、世間知らずのお坊ちゃま犬が、生まれて初めてヘビに出会ってびびったという話。





4327.お笑い愛犬物語/その83/松坂牛の霜降り肉より高いらしいが・・・ 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:6月13日(月) 18時21分

■松坂牛の霜降り肉より高いらしい
 という触れ込みで貰ったのが、『鯨肉』の油の400-500グラムパック詰め。バックを開けたら臭いのなんのって!
『せっかく貰ったんだから、スライスして油で炒めてみろよ』
ってなワケで妻に作ってもらったが、それでもまだ臭い。我慢して一切れ口に放り込んだが、マズくて吐き出した。それは息子も同じ。


■イヌにゃ値段は関係ねぇ!
『くれた人にゃ悪いが、イヌだな----』
そう言ってポーンと犬たちにくれてやるとガフガフで食べた。じゃあ、ってんで残りの固まりも2つに分けてマック爺とチョースケの食器へ放り込んだら、3−4秒でパクッと胃袋へ---。

 そういやぁ昨日も期限切れの春雨?みたいなソーメンみたいな?糸コンニャクみたいな?のを
(こんなもん犬がたべるんかいな?)
と思ってやってみたらすぐ食べた。犬にゃ食べ物の値段なんてカンケー無いもんねぇ。


■それにしても鯨の臭いはタマランわい!
 結局クジラの肉の生臭い臭いは、手にも、まな板にも、台所にも、皿にも、箸にも、包丁にも染み付いてしまい、臭いこと臭いこと。手などは石鹸で数度洗っても臭いは取れず、ファブリーズをシュッシュッ!それでも取れない。台所にはお香を炊いて、居間にもお香を炊いたが、未だに臭っている。






4374.Re: お笑い愛犬物語/その84/パピ姫を探して・・・
名前:のなか悟空 日付:6月27日(月) 21時47分






■本日が期限!伊勢崎へ赴く
 車を通常は制限時速で走らせるワシだが、今日はすべてプラス20キロ/hで「走れメロス状態」で走らせた。

 自分の身分を証明する客観的書類と、パピ姫が家にいたという写真のプリントアウト、それと他の犬たちと一緒に映った写真のプリント・アウト。そして他の犬たちの登録所とフィラリアのクスリの袋。そしてパピ姫がうちの玄関で巣にしていたダンボールと敷き布。これらをぜーんぶ持参して、我が家の一員だった証明にしようとしたのだ。


■パピ姫の3倍ほどの体格?!
 息せき切って保健所に駆けつけ、パピヨンを見せてもらったら・・・そこにはパピ姫の3倍くらいの大きさの「可愛くないパピヨン親父」がいた。
 吠え声はでかくて太く、乱暴そうな動作。しかもパピ姫では性別さえ分からないほどの股間だったのに、このパピオヤジと来たら股間に堂々とした男の印が揺れていた−−−。

 違う!
パピヨンってこんなんじゃあなぁ〜いぃ〜!
それでもワシは我慢して言った。
『確かに・・・ウチの犬に似てはいますが・・・』
ということで、返答を濁し、家には別の2頭もいることだし、家族ともう一度相談してみる、ということで保健所を後にした。

 やはりパピ姫の存在は、なでしこの花のように、「控えめ」で、「可憐」で、「無口」で、「柳腰」だった。それが同じパピヨンとはいえ、声が太く、体格がデカく、股間が堂々としていて、尻尾が巻いていて肛門が見え見え。これじゃやっぱり正直に言って、パピ姫の代わりは出来ない。それどころかマック爺と順位争いをして、もしかしたら盲目のマック爺にも勝てるやも知れぬ親父犬。

 ワシは今更マック爺に順位争いをして欲しくない。
マック爺はスケベでもいい、安穏とした余生を静かに送って欲しいと思うのだ。そのためには順位争いに絡むオス犬ではなく、おしとやかなメス犬がいい、と思うのである。


■保健所の犬たち
 訪れた保健所の犬収容所は6-8畳ほどの小さなコンクリ建てで、四方はコンクリの壁で閉ざされた場所。その中でそれぞれがケージに入っている。
 人間の出入りはシャッターである。夏は内部の温度が40度以上になると思いきや、暑い日は冷房が有るとの事で、人間よりは厚遇されているのかもしれない。けど・・・閉鎖された空間は犬たちにとっては退屈やろね。


■そんな目って・・・わし、タマランわ・・・
 パピ親爺以外の犬は2匹−−−−1匹はもう死にそうになって横たわっている、全身皮膚病のシェットランド・シープドッグもどき。皮膚病で長毛が抜け落ちていて、もう息も絶え絶えといった感じで見るも哀れ。早くラクにさせて欲しいと思う。

 もう1匹は日本犬の普通の雑種−−−もし収容されていなかったとしたら、畏怖堂々とした番犬の風格があるだろうに・・・彼の目はこれまで見たどの犬の目よりも、哀れで哀愁を湛えた目でワシを見上げている。
『おまえなぁ〜!』
と思わず抱きしめてあげたくなるような同情心を誘う。

 それがよ、何故この犬は腰を砕いて座ってんのか注意してみたら・・・あらまぁ、腰砕けじゃないの。これって多分・・・車にはねられたんだよ。痛い目に遭った上に、収容されて・・・だからこんなすがりつくような目をしてるんだよぅ。もぅタマランわ。

 けどワシかて、オマエさんの世話は出けへんで。
だって犬に車椅子を作ってやらんとイカン。排便だって大変だ。ワシ、そこまで犬の世話はよぅ出来んわ。ごめんなぁ・・・ワシは犬の視線を背中に感じながら、罪人のようにその場を逃れて来たわ。

 迷い犬を世話する篤志家さんたちの気持ちがよぅわかったわ。けど、ワシはそこまでは出来ん中途半端な愛犬家やから、せいぜい自宅の犬を可愛がる程度しかでけへん。せいぜいチョースケを愛してやって、マック親父の長生きを願うのみだわ。




4400.お笑い愛犬物語85/マックがトイレに! 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:7月1日(金) 20時0分

■見ざる言わざる聞こえぬ犬だが
 棺桶に片足を突っ込んで、あの世とこの世を行ったり来たりしているような我が家の仙人犬マック爺は、見ることも聞くことも不自由である。だが裏を返せば煩雑な浮世から逃れ、静寂の中で孤独な余生を満喫している。

 だが---、食事時はエサ用の金属ナベを蹴っ飛ばせば、カランカランと大きな音を立てるから、卑しい胃袋犬のマック爺がその音だけは聞き逃すことは無い。


■雷は聞こえるのか?
 今日は夕方から雷が鳴っていた。そのうち雨でも落ちてくるらしい。こんな大嫌いな雷の音も耳が殆ど聞こえなくなっているマック爺には願ってもないことだろう。そんなことを考えながらいつもより早く子供を学童保育に迎えに行き、チョースケの散歩をせねばと子供を連れて帰って来た。

 その間、我が家にはカギはかけないし、玄関も開けっ放し。なぜなら超番犬のチョースケがいる限り、我が家に入ってこれる家族以外の人間は友人がたったの2人だけ。他の誰をも寄せ付けないので安心だ。


■ト、トイレにマックがぁ〜!
 学童から帰るなり息子はトイレに行った。そこから突然悲鳴が聞こえた。
『ま、マックがトイレにぃ〜!』
な、なに?いったいどーいうこと?慌てて駆けつけてみたら・・・あららら・・・!トイレではマック爺が柔らかいトイレマットの上でまぁ〜るくなって、さも心地良さそうに寝ているではないの。

『おい、マック!"』
って言ったって聞こえるわきゃあない。
『おい、おいっ!』
当然、馬耳東風。そこでマック爺の首輪を掴んで外に出そうとしたが、四肢を突っ張って出ようとしない。
『ヤだよぅ、ヤだよぅ、わしゃここが気にいっとるるんじゃあぁ!』
って感じだ。

 だが、そんなワガママは聞いてられない。四肢を突っ張って逆らうマック爺の首輪を持って爺を引きずる。ツメの音がガリガリと床を擦る音がしたが構ってられない。我が家は絶対に犬は屋内に入っちゃイカンのだ。


■マックがいない!
 一件落着した後、息子とともにチョースケを連れて散歩。半時間ほどして帰ってから犬たちの夕食とタイムテープルが決まっている。
『あれ?マックがいないよ!』と息子。
『犬小屋を見てみろ』と私。
『いないよ』
『そんなはず無いだろ。出かける前にちゃんとゲートは閉めたんだから・・・』
とはいえ、またどこからか屋内に入ったのか?カギはかけてたのだが・・・と思いつつ、トイレを点険、ドアの閉まっている部屋も点険、でもマックはいない。

 不思議だ・・・神隠しにでもあったのか・・・・それでもいない。だが、いないはずはない。だって逃げようがないのだ。
『そこいらの藪の中を探してみ。絶対にどっかにいるはずだから・・』
『でも、いないよ』

 ワシは意地でも探した。
たっていないワケがない。有り得ないのだ。そこで目をこらしいじっくり藪の中をみると・・・ほーら、いたいた。夏草の中でマック爺のヤツめ、まぁ〜るくなって寝てくさる。彼の『こげ茶トラ』という色は夏草の中で寝ていると、完全な保護色となって見えにくくなってしまうのだ。やれやれ、臆病な犬には持って来いの色じゃわい。

 耳は大して聞こえなくとも遠雷を空気の振動で感じるのか一応隠れているのかも?でもどーして自分の小屋で隠れないの?いつも雷のときは小屋の中で震えてるのに・・・まったく幾つになっても臆病なオヤジだぜ。

『見てみろ、こうすればすぐ出てくるから』
オイラは苦笑しながらマック爺の金属製の食器を音を立てて蹴っ飛ばした-----するとどーだ!マック爺め、何事もなかったようにいかにもパブロフの犬状態でノソノソと藪から這い出してきたのである。ったく憎めない胃袋犬なのである。





4536.お笑い愛犬物語86/繋がれるのが死ぬほど嫌な犬 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:7月28日(木) 7時52分
■ずぅ〜っと昔、拾った犬がいた
 もうずいぶん前、まだ埼玉県の朝霞市に住んでいた頃だから・・・三十数年も前の話。当時は大宮市のクラブなどでバンドマンをやっていた時期である。

 演奏の仕事を終えて帰宅するのはいつも午前様、その途中、雑種の若い犬を拾って連れて帰ったことがある。それこそ小さな小さな一軒家で4畳半と3畳の2間しかなかったが、部屋の中でドラムを叩けることだけで満足だった。

 そんなオモチャのような一軒家に犬を連れ帰ったとしても、犬を置けるのは玄関しかない。その玄関だって僅か畳の3分の1ほどの広さだった。それでも家の前には畳み2枚分ほどのスペースがあったから、昼間なら繋いでおくことは出来た。

■ナイショで放し飼いしていたら・・・
 この犬、まだ名前さえつけてなかった。適当に「オイ」だとか「ポチ」だとか呼んでいたような気がする。その「オイポチ」くんはどういうわけか繋がれるのを極端に嫌った。この繋がれるという行為に猛烈なトラウマでもあるが故に、元の飼い主のところを逃走したのやも知れぬと思もわれるほどで、こちらがロープを手にしただけで悲鳴を上げるほどだった。

 そうかといって近所もあることだ。
それでなくても家の中でピアノの練習をし、尺八の練習も、増してやドラムの練習までしていたのだから、犬を放し飼いにしてご近所に迷惑はかけられない−−−−と言うのはすっかり大人になってしまった今のオイラの考え。実はそのオイポチ君が小型犬でまだ子犬っぽかったため、しょっちゅう離していたのだ。

 ところがこのオイポチ君ったら、わざわざご近所の門の前で脱糞をしてしまうのである。1度や2度なら侘びを入れながらも片付けをするが、それをご近所の門の前や植え込みを狙って、順番んこにして歩くのである。これにはオイラも参った。しかもご近所の苦情も歯に衣着せなくなってきた。そりゃあ当たり前だワナ。

■繋がれるのが死ぬほどイヤなのか?
 オイラがロープを手にしているを見ただけで悲鳴を上げたオイポチ君だが、やはり放し飼いはマズイ。ある夜、バンドの仕事から帰ってオイポチくんを繋ごうとした時のことだ。

『ぎゃ〜ん!!』
まるで絞め殺されるかのような悲鳴を上げて、ちいさな玄関から脱兎の如く暗闇に駆け出して行ってしまったまま、2度と帰ってくることがなかった。

干からびた毛皮だけが残っていた・・・
 それから数ヶ月か経っただろう・・・オモチャの家のすぐ脇を走ってる東武東上線の線路脇(線路の音でウルサイため家の中でドラムを練習できたのである)を散歩した事があった。するとかつて見たことのある模様の動物の毛皮が、線路の小石の上にカラカラに干からびてへばりついていた。

(そっかぁ・・・あんなに繋がれるのをイヤがったオイポチは、オイラの家を飛び出し、そのまま電車に激突死してしまったのかも知れぬ・・・)
 哀れな末路だったが、繋がれてまでも飼われたくない野生のノラくんは、敢えて野生のまんま死ぬことを選んだのかも知れぬ・・・南無・・・。オイラは軽く手を合わせてオイポチくんの冥福を祈ったのだった・・・。




お笑い愛犬物語87/ごめんね、初代ボクちゃん 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:7月28日(木) 8時43分
■初代ボクちゃん
 オイポチ君から数年後、もともと犬好きだったオイラは、幼少の頃よりの犬を飼うことの楽しさを思い出した。

 もともと好きな犬種はブルドッグだったが、あちこちのペットショップで探したものの、ブルは出産に難点があるらしく、予約でないと手に入らなかった。犬などというものは飼いたい時にどうしても飼いたい。待ってなんかいられない。そんな時たまたま居住地である朝霞市の隣の大泉学園のペットショップで、生まれたばかりのボクサー犬を数匹発見したのだった。

 三十数年前のギャラ(月給)が10万円そこそこだった当時、7万円もの金額は身を切られるほどつらい金額だった。だが、今すぐにでも飼いたかったのだ。

 二十代だったオイラはまだ若くて浅慮だった。
夜だというのにその黒い虎模様の子犬のボクちゃんをロープもせずに連れて、朝霞の陸上自衛隊基地の周りを散歩していた。

■アッという間にひき逃げされて・・・
 散歩の時はいつもオイラの足元をコロコロと転げるようにまつわり付いて来ていたボクちゃんが、その時に限って勝手に道路を横断しようとした。交通量は少なかったのだが、不運な時というのはこっちの都合を考えてはくれない。

 サーッとライトを点けて走ってきた乗用車のフロントバンパーに、一瞬のうちにまともにぶつかってしまった。ボクちゃんの声は「ギャン」ともなんとも無く、無音だった。

 車は一瞬、軽く減速したもののそのまま走り去っていってしまった。オイラは反射的にボクちゃんに走り寄って抱き上げたが、頭部を強打したらしく頭部をダラリと下げ、舌がダラリと下がっていて既に命は無かった。オイラはすぐに走って追いかけたが、車に追いつくわけが無い。車に追いついたからとて何になろう。暗い夜道で黒い犬をロープにも繋がずに散歩していたのはこっちだ。車がひき逃げとはいえ、明らかにこっちに比がある。それに追いついたとしても、もはやボクちゃんは生き返るわけではない。

■たったの数日の付き合いだった
 オイラは無き濡れてボクちゃんの遺体を抱いて帰り、いつもドラムを練習している河原に埋葬した。たったの数日の付き合いだったがボクちゃんを忘れられなかったオイラは、ギャラのバンス(前借り)をして、ボクちゃんの兄弟を買い、ボク太郎と名付けたのである。そのボク太郎についてはまた改めて記す。






4546.お笑い愛犬物語88/春の宵 恋に目覚める マック爺 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:7月30日(土) 20時15分

■朝っぱらから鳴くなよ!マック爺
 春眠をむさぼる春の宵、うとうととまどろんでいると、マック爺のただならぬ鳴き声。かといって警戒の吠え声じゃない。
「いらっしゃいませぇ〜!」
と鼻に抜けた甘えた声で隣に座る、飲み屋のセクシーな女ようなの声なのである。

「うわわわわわ〜んん。ほぇぇぇ〜ん。わぉ〜んんん」
「おいおい、いったいどーしたというんだい、マック。気でも違ったのかい?」
 そう言って起き出しマック爺の様子を見ると、下半身をくねくねしながらチョースケに甘える仕草をしている。困ったのはチョースケの方。なにがどーなったのか理解できないのか、首をかしげている。

(そーか、ナルホドね・・・)
全国的に繁殖の春だもんねぇ・・・もう17−8歳になり、目も見えず耳も殆ど聞こえないというのに、アッチの方だけはまだそのケが残っているのね。んでもって下半身から湧き上がる己の本能の炎を抑えられずに、ついついチョースケを相手に口説き始めたというワケなのね。

(いや、まてよ・・・)
も、もしかして爺、まさかおめぇ・・・あろうことかチョースケの愛を受け入れる側に回ろうっていうのかい?そりゃあイカン、お前らはオス犬同士。間違っても子供は出来んのよ。

 ホントっに、バカ犬のマック爺ったら、鳴くに事欠いて同性の犬にラブコールじゃ全くタマランわい。しかもそれが未明から何度も続くから、飼い主のオイラだってブチぎれる。

「マック!ヤカマシイ!!」
耳の遠いマック爺には、叱責の声もことさら大きくないと聞こえない。オイラはことさら大きな声で怒鳴って、劣情をもよおしているマック爺を叱り付けた。
「ったく・・・マックのバカさと来たらタマランわ。ぶつぶつ・・・」




4549.お笑い愛犬物語89/おいおい、もう遅いぜよ マック爺 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:7月31日(日) 21時16分

■最近は全く歌わなくなったマック爺
 以前、耳が良く聞こえていた頃は、市の放送する昼のメロディー、夕方のメロディーに合わせて、『わぉぉぉぉ〜ん、わぁ〜んんんん♪』と荒野の呼び声を上げていたマック爺。ところが最近はトント耳が遠くなってしまったため市の放送も聞こえないのか、平素は静寂の中にいるのだろう。殆ど吠えるということは無い。

 が、たま〜にだが吠える。
しかも思い出したかのように、だ。ま、私としては単にボケてしまったからなのかとも思っているが、まるっきりそういうわけでも無いようだ。

■時間差で吠えるマック爺
 留守番警戒犬のチョースケが使命に燃えて、彼にとっての不審者や通行人に吠えるのだが、通常は2-3回ほど。それが不審者が長時間いたり夜間だった場合は、チョースケも相手が視界から消えるまで、または臭いが消えるまで吠える。
 
 すると・・・あれれ??
マック爺ったら、爺様にもチョースケの吠え声が僅かでも聞こえたのか?尻馬乗りで思い出したかのように、たま〜に吠えることもある。ま、殆ど聞こえないのだろうが、老いたりとはいえ彼の番犬本能がチョッピリ頭をもたげるのだろう。

 だからマヌケだ。
チョースケが吠えて暫くたって、忘れた頃に吠えるのだ。チョースケはとっくに玄関の中に入って身体を横たえて休んでいるというのに、「わん!」・・・「わん!」・・・「わん!」って。

 おいおい、キミらにとっての不審者はとっくに視界から消えとるわいな。それをだ、「わん!」って吠えて、んでまた10秒ほど置いてまた「わん!」、そしてまたまた忘れたころに「わん!」かい。そんなもん年寄りの小便じゃあるまいし、忘れた頃に出てくるようなもんじゃ困るワイな。




4666.お笑い愛犬物語90/愛玩犬と使役犬 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:8月23日(火) 14時15分
■雨降りの散歩
 雨降りの今日、たまたま出かける用事があって、車中から犬にレインコートみたいな着物を羽織らせて散歩している女性を見かけた。女性は傘。

 ここいらがウチのチョースケやマック親父と違うところ。
ウチの野生犬どもは雨なんてへ〜っちゃら。だって分厚い毛皮を着てるんだもん。雨なんて降ったって皮膚の中までは水は入らんわい。これはオイラの思考回路。だって昔、現場で働いていた時はカッパなど羽織ったら仕事にならず、濡れたままで作業をしていた。
 かまへんわ---だって濡れて寒かったら寒くならないようにガンガン動いて働けばヨロシ。そうすれば作業の能率も上がるというものだ。

 で、ウチの犬たち----基本的に雨降りは散歩はしないが、それでも行きたければ行く。老犬のマック親父は散歩を放棄したとしても、チョースケは当然ゴー!だ。長い毛のチョースケには雨なんてヘッチラさ。

■ヤカマシイ犬ほどシツケが出来てない
 ピアノが売れたら配送に行くわけだが、室内犬や小型犬に限ってヤカマシク吠える。私は高い音が苦手なためキャンキャン声には耳が痛くて閉口してしまう。

 飼い主を観察してみると・・・「○×ちゃん、静かにしないとダメですよ」程度で、後は何もしないから馬鹿犬たちはずっと吠えている。その耳障りなことといったらタマラナイ。先日も近所の車の修理屋に行ったのだが、そこの中型犬はいつも吠える。しかもいつまでも吠え続ける。飼い主は『こら、うるさいぞ』と一言声をかけるだけで後は注意しない。それで喧しくてたまらないので、もう他の修理屋にしようかとも思っているほどだ。

 で、ウチのチョースケなどは口に手を当てて、「シーッ!」と1度やるだけで2度と吠えて騒ぐことは無い。甘やかされて育ったマック親父でさえ、「ヤカマシイ!」と言うと二度と吠えない。
 そりゃそうだ。
ウチの犬たちは私の言うことを聞かないと、私のご鞭撻か蹴っ飛ばしを受けるのを身をもって知っているからだ。ま、利口なチョースケには体罰をしなくても「しーっ!」を1−2回で覚えてしまったが。

■注意の仕方
 じゃあウチの痛い?訓練が恐いだけで言うことを聞くのかというと、そうでもない。以前室内犬のパピ姫が迷い込んできた時は、室内に居て当たり前という感じで部屋の中を歩き回りたがったが、どっこい、ワシはいくら室内犬とはいえ、室内に入るのは禁止した。

 で、どうしたのかというと、当初は玄関の上がりがまちに障害物を置いて入室禁止とし、暫くしてからは口頭だけで注意。ただし「だめよ○×ちゃん」ではなく、厳しい声で、「ダメッッッ!!!」と叱るのだ。そしたら、ほらみたことか。1度で覚えちゃったよ。屋内に上がっちゃダメだってことを。

■エスキモーは食べてしま
 植村直己さんの本にもあったが、極限で生きているエスキモーたちにとって、犬は道具でこそあれペットではない。そのため役に立たなくってしまった犬は食べてしまうという。
 まさか日本で犬を食べるなどということは、昔の実家の村の集まりじゃあるまいし食べはしないだろうが、まさかの大飢饉の時は「食べてしまう」くらいの突き放した感覚で犬を飼っていないと、感情移入して飼い過ぎていると、何かあった時に悲しくて大泣きしてしまうのは自分なのだと冷静に判断して飼う必要がある。
 
 犬は人間じゃない。
所詮人前で排泄し、所詮人前で交尾もする「動物」なのだから。だが---世界で一番、しかも妻子よりも私のことを愛してやまないのは、愛犬チョースケなのであるが・・・。





4732.お笑い愛犬物語91/ロープにこだわらないチョースケ 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:9月14日(水) 8時22分

■ロープは不要?
 猛犬のチョースケにはゼッ〜タイに繋ぐロープが必用である。しかもい〜ちばん丈夫で頑丈な太いのが。だって家の前を他人が通ると、食べちゃいたいくらいの勢いで、ロープをピンピンに張って攻撃態勢をとるから。だから万一のことがあると困るのでペット保険に加入し、且つ半年に1度くらいはロープを点検して新しいのに交換している。

 そんなある日、妻が帰って来て、「あれっ?チョースケが勝手に歩いてるよ」ってーの。驚いて出てみると、なんと!チョースケは切れたロープを引きずったまま、平然と敷地の中を徘徊している。といっても勝手に外へ出てしまうっていうのじゃなく、お家を護っている範囲でしか外へは行こうとしない。えらいっ!サスガは先祖代々警察犬の血統じゃ!

 これがおバカなマック爺だったら、勝手に行きたいところへ出かけ、夕食の時間まで帰ってこないのがお約束。だが、マック爺の場合は噛みつくわけでもなく、敵をつくるわけでもなく、まっ〜ったくの無害犬。これがチョースケとなるとそうはいかない。まず他の犬はぜーんぶ敵。よって攻撃目標。猫に至っては殺害対象。敷地外の人に対しては大して興味はないが、敷地内に入って来た他人はすべからく攻撃対象で襲撃してしまう。だからチョースケにはロープは必須。

■1−2度忘れたことも
 散歩から帰ると、まずチョースケを引き綱から開放する。
すると彼は普段ロープの届かない死角の敷地内を一巡して、異状が無いかどうか点検後に帰ってくる。その後、ロープに繋がれようが繋がれまいが、彼にはロープの拘束が特に嫌な習慣だとは思われて無いようだ。とにかく飼い主の家にいること、そして飼い主の家族がそばにいること、そして何より私が傍にさえいれば、ロープなんてあっても無くてもどーでもいいのだ。

 ある時、1−2度だが、散歩から帰ってロープに繋ぐのを忘れていて、朝になって気付いたこともある。その間、夜中や早朝に家の前や横を散歩する人や犬を見かけて吠える事はあったが、チョースケにとってそれは危険信号ではなく、あくまで儀礼的な「ここはワシのテリトリーじゃ!勝手に入ってくるなよ。ワシの許可なしに傍を通るなよ!」という警戒警報などであって、ある意味、ご挨拶なのだ。

 だからよほどの侵入者で無い限り、わざわざフェンスを飛び越えてまで攻撃したり、追撃したりすることしない。そういう意味ではチョットだけ安心しているが、これがもしネコやタヌキやイタチだったら・・・そして、本当のドロボーさんだったら・・・彼は追撃してカミカミしちゃうかも?よって慌ててチョースケをロープに繋いだのでありマシタ。私が長期に旅行に出かける前は、入念にロープが切れ掛かってないか、結び目は解けかかってないか、必ず点検をしているのでありマス。

 あっ、そうそう、おバカなマック親父は放し飼い中。
目も見えず、耳も大して聞こえず、鼻も臭わないけど、いつもそこいらに片足を上げてはイバリを掛けて回っておるという、平々凡々、半分あの世、平和な老後を過ごしているのでゴザイマス。




4734.お笑い愛犬物語92/敵なの?それとも味方? 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:9月14日(水) 9時18分

■新聞配達員に説教をくらいつつも・・・
(まだマック親父の目が見え、耳が聞こえ、鼻が臭っていたいた時の話)

 私が裏の畑でひとり草取りをしていたら----いつもマック親父に吠えられている新聞配達の兄ちゃんが、新米のもうひとりの配達員を連れてバイクを止め、フェンス向こうのマック親爺に向かって、なにやら話しかけていた。

『なぁ、オマエ、いつも吠えてるけど、吠えるのやめてくんねぇか』
畑で草取りをしていた私にはこの会話はよく聞こえたが、新聞配達員は気付いてない様子。ここで番犬のはずのマックは「うん」とも「すん」とも言わず、まして吠えもしない。この静かな語りかけに、あわよくば何か食べ物でも貰えるのかも?と思っていたのかも知れない。

 そこで私が咳払いでもしたのか、新聞配達が私に気付くとそそくさと2人でバイクで去って行った。で、私がマック親爺のところへ行って見ると・・・親爺は見ず知らずの他人に語りかけられて吠えもせず、かといって美味しいものも貰えず、どうなったのかと理解不能な様子で首を傾けている。

 これがチョースケなら・・・見ず知らずの他人に優しく語りかけられようと何されようと、とにかく警戒&攻撃対象になる。もしも、だ。見ず知らずの他人が美味しい物を投げてよこしたとしても、
『おい、オマエ!俺にエサをくれるな!』
と、吠え掛かることだろう。

 心優しいマック親父----アンタはエサさえもらえれば、人類も犬もみ〜な兄弟姉妹。こんな犬ばかりな犬の社会もさぞかし平和なことだろう。でも・・・エサをくれるドロボーさんがいたら、全く留守番犬としては失格!デス。

 




4735.お笑い愛犬物語92/チョースケの知能 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:9月14日(水) 9時59分

■ロープが絡まらないチョースケの知能
 例えば----チョースケと私が歩いていたとする。そこへ1本の杭があるとすると・・・チョースケはロープが引っかかるのを見越して、杭をよけて私の方へ寄り、杭を回避する。これがマック親父なら・・・杭があっても平気の平左。そのまんままっすぐ進むもんだからロープが引っかかる。それでも馬鹿犬のマックはまっすぐ進もうとして前へ進めなくなる。仕方なく私が逆戻りして杭に引っかかったロープから開放するしかない。

 こういうのは牛でも馬でも同程度で、ロープに繋がれた牛馬は行く先の立ち木や杭に馬耳東風状態。よって絡まってしまう。ま、マック親父も同程度というわけだが、チョースケは全く問題にせず、最初から障害物を回避する----そんな知能を生まれながらにして備えている。


■あっち!と指差すとそちらを見るチースケョの知能
 玄関にあるサンダルなり靴なりを、チョースケはロープに引っ掛けて戸外に出してしまう。チョースケが悪いんじゃない。ロープが長いから仕方ないのだ。そこで私がサンダルを指差して、「サンダル持って来い」と言えば、サンダルを持って来る。

 この場合、「サンダル」でも「靴」でも同義語なのだが、要するに、だ。私の『指差し』に対して、『その対象を理解できる』知能を備えている。ということなのだ。庭に高く渡したロープに靴を結びつけて遊具にしているのだが、私が靴を指差して、『行け!』と命令すれば飛び掛って攻撃をする。

 このとき、私が『ワンって行け!』と言うと、攻撃の祭に『がうぅぅぅ!』と吠えて、靴に飛びかかる。笑える瞬間だが、ま、犬というのはほんに飼い主によぅ似とる。飼い主が攻撃的だと、犬も攻撃的なのね。わしのドラムみたい。笑。

■用を足す時も
 散歩のコースで大きな川がある。
その対岸も夕刻は対岸の村の犬の散歩コースでもある。チョースケより私が(背が高いので)先に対岸の犬を発見して、チョースケに指を差して示す。
『おい、あっち見ろ!』
するとチョースケはすぐさま、私の指差す方向を見るのだ。

 草むらで用を足す時も同じ。
草むらを指差して、『ここ。よしっ!』
と言うと、チョースケはそこで用を足す。出る物が無くても、とりあえず構えて努力し、申し訳程度に出す時もある。そんな利口で義理固い忠犬なのである。

 えっ?マック親父?
いえいえそんな知能はありません。交尾と食べる事しか頭に無い、昆虫程度の知能ですから(爆笑)。





4735.お笑い愛犬物語92/チョースケの知能 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:9月14日(水) 9時59分

■ロープが絡まらないチョースケの知能
 例えば----チョースケと私が歩いていたとする。そこへ1本の杭があるとすると・・・チョースケはロープが引っかかるのを見越して、杭をよけて私の方へ寄り、杭を回避する。これがマック親父なら・・・杭があっても平気の平左。そのまんままっすぐ進むもんだからロープが引っかかる。それでも馬鹿犬のマックはまっすぐ進もうとして前へ進めなくなる。仕方なく私が逆戻りして杭に引っかかったロープから開放するしかない。

 こういうのは牛でも馬でも同程度で、ロープに繋がれた牛馬は行く先の立ち木や杭に馬耳東風状態。よって絡まってしまう。ま、マック親父も同程度というわけだが、チョースケは全く問題にせず、最初から障害物を回避する----そんな知能を生まれながらにして備えている。


■あっち!と指差すとそちらを見るチースケョの知能
 玄関にあるサンダルなり靴なりを、チョースケはロープに引っ掛けて戸外に出してしまう。チョースケが悪いんじゃない。ロープが長いから仕方ないのだ。そこで私がサンダルを指差して、「サンダル持って来い」と言えば、サンダルを持って来る。

 この場合、「サンダル」でも「靴」でも同義語なのだが、要するに、だ。私の『指差し』に対して、『その対象を理解できる』知能を備えている。ということなのだ。庭に高く渡したロープに靴を結びつけて遊具にしているのだが、私が靴を指差して、『行け!』と命令すれば飛び掛って攻撃をする。

 このとき、私が『ワンって行け!』と言うと、攻撃の祭に『がうぅぅぅ!』と吠えて、靴に飛びかかる。笑える瞬間だが、ま、犬というのはほんに飼い主によぅ似とる。飼い主が攻撃的だと、犬も攻撃的なのね。わしのドラムみたい。笑。

■用を足す時も
 散歩のコースで大きな川がある。
その対岸も夕刻は対岸の村の犬の散歩コースでもある。チョースケより私が(背が高いので)先に対岸の犬を発見して、チョースケに指を差して示す。
『おい、あっち見ろ!』
するとチョースケはすぐさま、私の指差す方向を見るのだ。

 草むらで用を足す時も同じ。
草むらを指差して、『ここ。よしっ!』
と言うと、チョースケはそこで用を足す。出る物が無くても、とりあえず構えて努力し、申し訳程度に出す時もある。そんな利口で義理固い忠犬なのである。

 えっ?マック親父?
いえいえそんな知能はありません。交尾と食べる事しか頭に無い、昆虫程度の知能ですから(爆笑)。





4736.お笑い愛犬物語93/おい、マック!死んでんのかい? 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:9月14日(水) 12時58分


■おい、マック!死んでんのかい?
 前に一度書いたことがあるかも知れない。
私自身もマック親父と同じ、老境に入りってしまい記憶が定かでなくなった。

 何度も書くようにマック親父は現在16−7歳くらい。人間で言えば優に還暦は過ぎてることだろう。ご存知のように目は見えず、耳も僅かしか聞こえず、鼻は殆ど臭っていない様子。食べ物を上げるにしても、口先に近づけて食べ物を接触させないと分からない。

 そんな爺はひんがら一日寝て暮らす、小原ショウスケさん状態。
小屋で寝ていたら、顔が上に向いていても口を開けて目も開けたまんま。
(ありゃ?死んどんのかい?)
と思い、『マック!!』と大声で叫ぶと、ピクッと動いてヨタヨタと起きる。

 なんせ目を開けたまま寝ているというのが不気味だ。
どうせ視力が無いのだろうから、閉じていても開けていてもカンケー無いのだろうか?目にゴミが入っても、どうせ見えないから眼球の粘膜にカンケー無いのだろうか?よく分からないが、目を開けたまんまで寝ていられると、こっちが慌ててしまう。

 それでもいかにも「私ゃ犬でゴザンスすよ」、というくらいに口でハァハァしながら寝ていてくれりゃあいいものを、目は開けたまんま、口も開けてはいるが、呼吸の気配も無く、まるで死後硬直のような状態で寝ているもんだから、こっちは尚更慌ててしまうのだ。

■墓穴は掘ってあるからさ
 だから爺がいつあの世に行ってもいいように、裏の畑には五右衛門風呂くらいの大きさの穴は掘ってある。しかも2年ほども前から。いつでもあの世に行ってもいいんだよ。もう充分楽しんだ犬生(人生)だもんねぇ









4801.愛犬物語94/チョースケがビッコを・・・ 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:10月26日(水) 7時51分
■チョースケのビッコ
 9月の末のこと。
チョースケがビッコをひいている。凄く痛そうで左後ろ足を庇っている・・・ケガでもしたか?そう思って足をつらつら見てみたが血が出ている形跡もナシ。そこいらのチョースケが頻繁に動き回るエリアを点検してみたが、コレといってトゲのような物もなし。

 うう・・・ん、どうしたことか・・まてよ?
そういえばシェパード犬というのは、股関節に欠点があるとされている。しかも若かったチョースケももうすぐ5歳。そう若くは無いのである。わしだって若い頃は女性のように身体が柔軟で、前屈や開脚は随分と出来た。だが、このところトント股関節が固くなり、アグラをかくのさえ痛い時もある・・・となれば結論は加齢。

 で、ちょっこら思い出してみればビッコの原因に思い当たるフシもある。このところオイラは体力の練成のために2−3キロのジョギングをしているのだが、チョースケのロープを腰に縛り付けている。そこでチョースケといえばフランダースの犬のパトラッシュが牛乳を積んだリヤカーを引くかのごとく、オイラを懸命に引っ張っているのである。

 ホントは引っ張られるのは迷惑この上ないんだが、彼としては本能として引っ張らずにはおれないのだろう。やむなく引くに任せて走っていたのだが・・・その結果かも知れぬ・・・。


■目が泣いている
 哀れチョースケは特別な用が無い限り、小屋に篭って目だけを出している。私と顔が会うと、もぅ、ポロポロっと涙でもこぼしそうになるほど、哀愁を湛えた表情である。

 犬って生き物はこうも感情表現が上手なのか。まるで人間だわ。本人が何も言えないから、人間は黙って見ているしかない。ネットで調べたらガンかも知れぬと・・・レントゲンを撮ってみなきゃあ分からんらしい。 

 そこで実家の大分の山林を買って、そこをトレーニング場にしているシェパードのブリーターさんに電話で聞いた。すると『ま、レントゲンを撮ってみなきゃあ分からんけど、多くはほっとけば治るよ』とアドバイスを受けた。そういえばワシらニンゲン様だって、肩だの腰だのが痛い時もあるが、ほっとけば勝手に治ってくれることも多々ある。それでいいのかも?

 ま、犬なんてのは、そもそも野生の動物である。
ケガしたって、噛みつかれたって、自分で治せなきゃあ死ぬだけの話。自分にそれだけの治癒能力があるか無いかだけの話なのだ。そういう意味では、ホッタラカシが一番いいのだ−−−そう結論付けて成り行きを見守ることにした。


■3-4日で治癒
 大分のブリーダー氏の言うとおり、チョースケは日を待たずして回復。以前のようにまたまたオイラを引っ張るまでになった。が、以降は距離を短くしたり、必要以上の負荷をかけないように配慮してジョギングしている。よかった、良かった。




お笑い愛犬物語/その×× 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:11月22日(火) 7時48分

 このシリーズも「その×」というのが番号が分からなくなってきた。よって今後は、「その××」とすることにした。というのも何番目だからという順番そのものにさほど意味が無いからだ。

■縄跳びが出来るボケマックにオドロキ!
 以前からのシリーズ物を読んでいる人は分かると思うが、高齢ボケ犬のマック爺は、殆どヘレンケラー状態で、「聴く」「見る」「嗅ぐ」「吠える」の殆どの機能が無い。
 そんな状態で我が家の敷地内を放し飼いにされたまま、やっとこさの4つ足状態でフラフラと夢遊病のように徘徊するのが、ヤツの日課である。

 が−−−、ワシは今日、凄いことを発見した!
危険な番犬、シェパードのチョースケはしっかりと太くて長いロープに繋いでいるのだが、そのチョースケがあっちゃこっちゃ動き回れば、その行動半径内に入ったマック爺の足元がロープにさらわれて転倒してしまうはず−−−だろ?

 ところが−−−ワシはその瞬間を目撃したのだ!
ロープが来る!爺の前足に当たる!爺は2本の前足をあげるぅ−−−と、それっ!両方の後ろ足も次にあげたのである。早い話、ひっかったけど「縄跳び」状態になったわけだワナ。それで気をつけて観察していたら2-3度そういう行動をしたのでナットク。

■やはり野生はすばらしい!
いくらボケ犬とは言え、野生の生き物の持って生まれた本能はすばらしいのだ。もしこれが齢70-80歳のヒトのお爺さんがロープに絡まったら転んでしまうのは必定。やはりこれも4つ足ゆえの利点なのである。こういうところは地球上全ての生物の頂点に立つホモサピエンスでさえ、ウチのマック爺にはカナワンちゅーことなのである。





4874.お笑い愛犬物語/その×× 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:11月22日(火) 8時39分

今日はもうイッパツ!

■さぶい朝
 ウチは滅多に暖房しない。未だに暖房は使ってない。そろそろかな?と思ってトイレに行ったついでに裏窓を開けて裏の畑を見たら・・・あらあら、もう真っ白に霜が降りてるでねーの。サブイわけだわなぁ。

 で、マック爺のハナシ。
これだけ寒けりゃ当然犬小屋でくるまって寝ているはず。いや、寝ているべきである。が−−−、表を見ると日も当たっていない寒々としたコンクリートの庭にまぁ〜るくなって寝てござる。
 ったくよぅ・・・さぶいだろうによぅ・・・ま、いいか。エスキモー犬や北極圏の犬たちは、ブリダードの中でさえ雪の中で丸まって寝てんだから、屋外温度が数度なんてーのはバカな爺さん犬にゃむしろ暖かいんだろうて・・・などとも思ったが、暖かいワケがあるまい。利口なシェパード犬のチョースケは、シッカリと自分の小屋の中で丸まっているではないの。

■コンクリートの床に寝ている根拠とは?
 いやいや、マック爺には寒くてもそこに丸まって寝ている十分に根拠があるのだ。
 実は・・・朝でも夕方でもウチの庭先に寝て機会さえ待っていれば、いつかは飼い主様のおこぼれに預かるチャンスがあると、バカでボケ犬なりに知っているのである。ゆえに未明のうちから庭先で大気状態に入っているアサマシイ馬鹿知恵が働いているのである。


■この犬の乞食根性ったら!
 犬はそもそも飼い主に似るという。
実はこのマック爺、妻の連れ子ならぬ連れ犬なのである。そしてその妻の実家というのは訪れる客がひきもきらぬ社交的な家柄なため、客たちがマック爺に手土産を持って訪れ、人間の出入りがあるたびにエサを貰って当たり前だ、というくらいの浅ましき乞食根性が身についてしまっているのである。

 したがって番犬にはなり得ない。ドロボーが来たって
「ウェルカムぅ〜ですぅ〜。なんかちょ〜だいっ〜!」
と鼻声を出してしなだれかかってしまうのだ。
 その点利口なワシの飼い犬、シェパードのチョースケは見ず知らずの他人がエサでも投げてよこしたならば、
「こらぁ〜、俺にエサをくれるとは何事だ〜っ!」
と追っ払ってしまうのである。やっぱりシに似てカシコイわい。ヨシヨシ。


■そこまでやるかいっ!乞食犬!
 このマック爺は「口と肛門だけの犬」とは前にも言った。とにかく「食べること」と「排泄すること」しか念頭に無いのである。いつも下を向いて口に入るものを探し、そこいら構わずイバリを放ち、あたり構わず排泄をするのだから、世話するこっちとらもタイヘンなのである。
 
 最近、ヤツの下賎な行為を何度か目撃することがある。
このバカ犬、チョースケが食べてしまったチョースケのエサ用のナベを、あたかも皿を洗うかのごとく、きれ〜いに嘗め回すのである。
(な、なんじゃ?そこまでやるカイ?)

 チョースケだってマックだって、太りすぎはイカンからエサは腹八分目しか与えていないが、プライドの高い騎士のようなチョースケは、ぜっ〜たいそんなあさましい行為はしない。こへきて改めて「お育ち」の良さ、と「育てる環境」について認識したワケなのである。

 犬も子供も甘やかしたらイカン!
ビッシビッシ鍛えて、叱咤激励、質実剛健、強くて逞しく育てにゃイカンのだ。




2012年
お笑い愛犬物語そのXX /ガンのマック親父 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:2月14日(火) 8時23分

■下半身の衰えが顕著
 朝の7時、今朝はマック親父がまだ徘徊していない。
いつもなら6時から7時の間には、やおら起き出して家の周りを徘徊しながらマーキングをし、何ぞ食べる物は落ちてないかと嗅ぎまわっているのが親父の朝の日課なのだが・・・。

 昨夜の朝は、どうやら体調が思わしくないらしく、徘徊の途中でへたり込んで座ってしまっていた。その後、外を見たら、どうしたことか吐瀉物なのか下痢便なのかは知らないが、緑色の液状の物を大量に排出して、それを舐めていたマック爺。

 爺の背中にあった腫れ物は栗大の大きさになっては、どこかにぶつけて弾けてはまた腫れたり、またぶつけて赤い皮膚が露出している。この症状は2年ほど前に亡くなったカン爺と同じなのだが、どうやら犬のガンらしい。ガンといえば、犬の場合は長寿病だと思っているので、よくまぁここまで長生きしてくれました、という労いの気持ちしかない。


■小屋の中で生きていた
 そこで心配になった今朝は、マック爺の小屋まで行って中をの覗いてみた。すると−−−気配を感じたマック爺はモゾモゾと動いたのである。
「なぁんだ、生きてんのか・・・」
というわけで一安心したのだ。

 いずれにせよ・・近いうちに犬小屋を見える場所に移動して、いつでも目が届くようにしてないと、死期を見逃してしまうことにもなりかねない。

「春までは生きるだろうねぇ・・・」
「夏の暑さがこたえて、夏には終わりなんじゃないの」
「もう15年以上だからねぇ・・・」
「近いうちに畑を耕して、そのついでに掘っていた穴をまた少し大きくしておかねばなぁ・・・」
こういう囁きがつぶやかれる我がなの家である。




5057.お笑い愛犬物語XX/気配だけが頼りのマック爺 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:2月16日(木) 8時27分

■ヘレンケラー状態のマック爺
 目も見えず、耳も聞こえず、鼻も臭わない高齢犬のマック爺だが、触覚と「気配」だけは感じるようだ。
 いつも敷地内を自由に徘徊しているが、それでも立ち木や大石のある場所で排尿する習慣は持続し続けている。だが、最近は体力の低下から徘徊中にヘタリこんでしまうこともたまにある。

 チョ−スケと2匹でお揃いのとき、たまにエサを撒いてあげる事もある。チョースケ目が見えるから、ササッと直接拾うのだが、マック爺は盲目の上に鼻もダメ。そのためマックの足元に撒いても探せず、モタモタしているからチョースケにサッと取られてしまう。しょうがないのでマック爺の皮膚に当たるように投げてあげると・・・あらら??それでも探すのに手間取ってしまう。

 なるほど・・・ね
モウロクするとは、加齢するとはこのことなのね。と自分の年齢を省みると、チヨット悲しくなってしまう。


■ハチ公じゃあるまいし・・・裏門の前で
 そんなマック爺でも私と息子とチョースケの3人(?)で、タイヤを引っ張って散歩に行く時間は知っている。それすなわち−−−−散歩から帰って来るとエサにありつけると知っているからだ。
 そりゃあもう、ワシらが散歩に出かける支度の頃から卑しいマック爺め、ソワソワソソワと落ち着きがなく、ワシらの回りをウロつく。ま、それを無視して散歩に出かけるのだが。

 で、ワシらが30分ほどの散歩を終えて帰って来る頃、この卑しいマック爺め、ウチの裏門の金網に立って、ワシらが帰って来るのを今か今かと待ち続けているのだからスゴイ。

 耳も聞こえず、目も見えず、鼻も臭わないのに、ただひたすら「気配」だけ頼っているとうのに・・・大したもんではないか。だけどさ、これもひたすらエサのため。飼い主のオイラを待っているのではありませぬ。
 それはそれでね、ナカナカ可愛いもんではある。おバカなだけに愛嬌がある。憎めないマック爺なのだ。
 



5083.お笑い愛犬物語/マック爺の銀閣寺 返信 引用

名前:のなか悟空 日付:2月29日(水) 9時41分

■マック邸のお引越し
 まーだまださぶい日が続く、赤城山からの赤城下ろしが吹きすさぶ我が蓮田市。
 母屋の軒下にあるマック邸は、夏は快適な涼を求めるには直射日光が当たらず都合がいいのだが、冬は凍えるように寒い。だってマック爺用の飲み水はいつも凍っているため、マック爺は飲むというより氷を舐めているのだ。

 そんなマック爺を見かねて、昨日はマック爺邸を日当たりのいい場所へお引越しとあいなった。
 まずは屋根を外して・・・と、いろいろと分解して、母屋の南側でポカポカと暖かい場所に移したのだが、どうせならもっと早い時期が良かったなぁ−−−とは分かってはいるもののついつい不精で・・・。それに最近とみにマック爺の下半身の衰えが顕著で、いつあの世からお迎えが来るやも知れぬ。ならばいつでも目の届く範囲にマック邸を設置して、監視できるところに置いとかねばならんとの配慮から。


■おいおい、ヤなのかい?
 小一時間も掛けて引越しを済ませ、肝心のマック邸を移したというのに、マック爺ったら生来の頑固さとヘソ曲がりの性分のため、小屋に入ろうとしない。
 夜になって・・・そぅと様子を伺うと・・・おやおや??マック爺め、小屋の中におらんワイ。今夜はことさら冷えるぞ。雪も降るっちゅう話だ。心配になって母屋の裏手の、元、マック邸のある場所に行ってみたら・・・あらあら・・・マック爺め、冷たいコンクリの上にまぁ〜るくなって寝てござる。

 「おいおい、カゼ引くぞ」
と、首輪を引いて立たせ、引越し先のほうに引っ張ろうとするが、この頑固ジジイめ、私が引っ張ると足を突っ張って絶対について来ない。それでも無理やり引きずって引越し先の小屋に入れた。ふぅ〜、一安心。
 で−−−、その後そぅ〜と様子を見に行くと、また小屋から出て寝てござる。
「もぅええわ、好きにせぇ!」
と、そのままにしておいた。


■銀閣寺に雪は降りける
 で、今朝のこと−−−あたり一面雪化粧で真っ白。
まさか、頑固なマック爺は南極観測隊のタロージローのように雪の中で丸まってはいまい?見に行ってみるとおらんぞ・・・そして引越し先のマック邸をそーっと覗いてみたら・・・マック爺、まぁ〜るくなって寝てござる。

「マァ〜ク!!!!」
耳が極端に遠いため、雷でも落ちたような声を数度掛けてみたら、やっとマック爺の頭がノソリと動いた。
(おっ、生きてる・・・)
まだまだあの世からのお迎えは来てないようだが、この冬は越しても今年の夏は越せるかどうか・・・

 銀閣寺のように雪化粧をしたマック爺邸、見かけはなかなか情緒溢れた冬の一景色だが、果たして・・・中で眠るマック爺、どんな夢を見ているのだろうか・・・。







お笑い愛犬物語/その××/我が家の掃除屋マック爺

名前:のなか悟空 日付:5月22日(火) 17時53分

■ガン腫瘍も消えて
 げに生命力には恐れ入谷のマック爺。
... 数ヶ月前までは背中にピンポン玉大の腫瘍が出来ていたのだが、目視ではいつの間にか消えて、普通の状態に戻っている。

 敷地内で放し飼いのため、早朝に起きて散策ならぬ徘徊を日課とするボケ高齢犬。春になってもチョースケの尻に乗っかる動作もせず、もうアノ欲求も消え失せて孤高の悟りを開いたかのよう。うん、まるで飼い主のワシのよう。エライ!唯一の楽しみは私の気が向いた時に投げて与える投げ餌と夕食時のドッグフード。唯一ジンセイならぬ犬生の生甲斐はそれをおいて無い。


■座るにも「えっこらせっと」
 マック爺が立ったままもぞもぞしている時は・・・(えっ?いったい何してンの?)と注視していたら・・・なんのこたぁ無い。ただ座ろうとしているだけじゃん!そういえば高齢のニンゲンさまだって、座るまでに時間がかかり、「えっこらせっと」と座るわな。高齢になれば犬もニンゲン様も同じちゅーワケよ。


■庭の清掃犬
 汚い話で恐縮だが、マック爺は有吉佐和子のナントカいう小説の主人公に似たところがあって、ボケてはいても食欲だけは「超」がつくほど旺盛なのである。

 で、ここから汚い話になるのだが----、自分の汚物は食べないものの、チョースケが庭の端に出したモノを(大型犬だけにデカイ!)ガツガツと食べるのである。それもさも美味そうに、で、ある!しかも、食事を食べさせた直後にでも、である。い、いったいこの老犬の満腹中枢はどーなってんの?まるで飼い主がエサをやってないみたいじゃん!

これで我が家のイヤシイ掃除屋、マック爺の面目躍如。食物連鎖の下の下に位置するマック爺の本領発揮の生き様なのである。

 よってワシらはマック爺のペロペロにだけは気を付けている。増してや4ヶ月の新生児にゃゼッタイに近づけないことにしてる。


お笑い愛犬物語/1〜8もありますが、リンクしていません。っていうか出来ません。涙。