マルコムM

■取り貯めたビデオ
 現在、情報はネットから得ているので、地デジ対策をしていないためテレビが映らないのには全く不自由をしていない。新聞ももう10年以上取っていない。

 さて、大きな電気の箱が居間にあってどう活用しているかといえば・・・ワタシめ自分の趣味で、二十数年前から取り貯めているビデオがある。いずれ何かの折に長期入院でもしたら見ようかな、くらいの感じのテレビ番組で、「新世界紀行」や「知ってるつもり」などが多い。

 ニューギニアの高地族や白瀬中尉の話、チベットやネパールの少数民族を扱ったもの、植村直己さんを扱ったもので、何度見ても見飽きない番組を録画していたもので、1本に6時間分、これが数十本もあるので、退屈はしない。この機会にすべて見てしまおうと思っている。

そういう時にたまたま発掘したマルコムXのテレビ放送のビデオ。
黒人差別運動の急進的指導者、マルコムXの活動を記録したドキュメナタリー放送である。


今更ながら気が付いたが、オイラのフリー・ジャズの原点は、どうやら彼に同調することから見出すことができる。



■演説より

「白人は敵である。白人と融合することは不可能である。」
「黒人が自由を勝ち取るためには、暴力さえも肯定する。」

彼の過激なまでのメッセージは、白人社会を震撼させた。
狂信的な信奉者を集めた反面、当然の如く多くの敵を作った彼は39歳の時、暗殺による非業な最後をとげた。

「私たちはこの地球上で人としての権利を求める。
人として尊重され、人として持つべき権利をこの社会において要求する。
要求実現のためなら、私達は手段を選ばない。」

「黒人は革命を恐れている。
恐れるはずはないのに、革命は変化。黒人が得意な変化だ。
ある日”黒”を誇るのが流行になった途端、
誰もが調子よく”ブラック・パワー”と騒ぎだす。
でも溜息混じりで夢に見るのは、”白い太ももが欲しい”
下らない変化はしても、本当の変化、革命となると腰が引ける。」


「この国の黒人が受けた不正は−−−政府が生んだものだ」

黒人は行動する。
でも革命呼びかけると「できっこないさ」
革命を恐れている。

「白人と統合など出来ない。敵と知りつつ統合など出来ない。」

黒人はプレイする。
フットボールも野球もバスケも白人をしのぐ。
そういう彼らに「革命を起こそう」と言うと、「ただ遊んでただけさ」
革命を鼻で笑っているが、本当は革命が怖いのだ。


人種主義の犬に噛まれる筋合いは無い。
2本足の犬は−−−か弱い女性や子供に凶暴な犬をけしかける。

黒人は愛する。
マルコムのラップを愛し、人格を愛さない。
自分を一番愛している。
そして俺も人を愛する。
俺は黒人を愛する。
なぜなら俺も黒人だからだ。
同胞が進化し、行動しもプレイすることを愛する。
しかしひとつ愛せないのは、革命を恐れることだ。


「私達はこの地球上で人としての権利を求める。
人として尊重され、人として持つべき権利を、この社会において要求する。
要求実現のためなら、私達は手段を選ばない。」


神は白人を呪われた。
詳しくは本を。たったの60セント。


私は白人を弾劾する。
史上最悪の虐殺者として。
史上最悪の誘拐犯として。
最悪の略奪者、奴隷承認として。
史上最低の姦淫者、強欲者、大酒のみとして。


キリスト教は罠なのだ
われわれはキリスト教に欺かれていた
今はアメリカ政府に欺かれている
公平に扱われたことも無い



■インタビュー
まずモハメッド氏に教わったのは
楽園のヘビは例えであること。

<質問>例え?何の−−−?

聖書には例え話が多いが
アダムたちをそそのかしたヘビも
実はヘビではなくある者の象徴だった。

<質問>誰の−−−?

白人だ。
黒人は生まれながらに神聖な存在なのだ。

<質問>では逆に白人は悪だと−−−?

神聖な存在ではない。


<質問>つまり悪を象徴する−−−?

白人は悪だ。

私の一番古い思い出は、家を放火されたこと。
母は西インド諸島出身
父は牧師でマーカス・ガーベイの信奉者
白人からの独立を唱えてた。
KKKに何度も脅迫を受けていたが
父は独立を唱え続けた
やがて頭を潰され、市電に轢かれた姿で父は発見された。
そのご母は仕事を探したが
過激な牧師の妻に仕事は無かった。
私たち兄弟は飢え、盗みも犯した。
耐えかねた母は心を病み、
兄弟は救護院や施設等に入れられた。


<質問>組織はシカゴとデトロイトにイテラム大学を設立したと−−−?

そうです。

<質問>信者の子供は幼稚園の年齢から高校に至るまでそこで教育を−−−?

ええ、4歳から。

<質問>同じ地区で教区高校も−−−?

シカゴとデトロイトで。

<質問>そこで施す教育は普通高校と同じ−−−?

そうです。

<質問>教育の特徴は−−−?

ほぼ普通の高校と変わりませんが、
”チビ黒サンボ”等は教えません。
不要な劣等感を子供たちに植え付けないためです。

8年生の時、英語の教師に将来の夢を聞かれた。
私は弁護士と答えた。
教師は「現実的に考えて大工はどうだ。君は成績もよく人気もあるが、弁護士は無理だ。君は黒人なのだから」と。


■BGMにビリーホリデーの歌。その字幕より(歌詞)
「持てる者は与えられ、持たざる者は失う」
聖書にはそう書いてある。
ママは持ってる。
パパも持ってるけど
何も持たない子供にこそ、神様、祝福をお与え下さい。
強い者は栄え 弱い者は消えていく。
カラのポケットは何の足しにもならない。
ママは持ってる。
パパも持ってるけど
何も持たない子供にこそ、神様、祝福をお与え下さい。


■演説より
イスラム教徒の子に、「地獄は?」と聞いたなら
ここだと答えるだろう。

悪魔とは角のある小男ではない。
精霊でもない。
悪魔とは6000年前に黒人を騙した白人のことなのだ。

子供はここが地獄だと答える。
なぜ地獄いるのかと問えば、
悪魔に騙されたのだと。


アラーの名において恵みと慈悲に感謝を
師モハメッドは言われた黒人がイスラム教を支えよと。

政府の施しを受けてはならない。
人として家族のために働くのだ。
それでこそ家族が誇れる父親だ。
妻の語る夫だ。

父は子を養うもの
作るだけでは父親になれない
子を養うのが父だ。

女性と結婚するだけなら誰でも出来る。
妻を養えてこそ夫だ。
子供を養えてこそ父親だ。
それが男としての責任なのだ。

これが偉大なる師 モハメッドの教えだ

それを白人は「憎しみを教えている」と。


■信者の発言
*師モハメッドは神様と面会なさいました。

*私はジェームス52X
私たちの祖先は白人に名前も文化も奪われた。
つまりこのXは白人に奪われた名前
元の名前の代わりだ。
師モハメッドが正しい名前を下さるまでXを使う。



■演説
師モハッドは神は唯一と教えられた
唯一の神への唯一の信仰を説いて下さった。

アブラハムもロトもイテラム教徒
ノアもモーゼもダニエルもイエスもそう

全預言者はイスラム教徒かつ黒人だった
預言者に白人は1人もいない。

ヨーロッパ出身の預言者がいるか?
そんな者はいない。
全てアフリカ人とアジア人だ。

預言者は白人たりえない
師モハメッドはこう言われた。

400年もの根深い問題は、
神が解決され、師にその答を示された

アメリカの言う信仰とは
白人の神への信仰だ。

先住民からこの地を盗んだ神
私たちをさらい、奴隷にすることをヨシとした神だ。

私達は310年間 奴隷だった
310年間 私たちの祖は なんの報いも無く働いた。

1日8時間どころではない
日の出から日の入りまで日のある間ずっと

休日など無く
日曜には歌うことだけ許された。
死ねばラクになると歌った。

この国を作ったのは私たちの血と汗だ。
労働のみならず血も与えた。

戦争時は一番に徴兵される。
白人の戦争を全て戦った。

私達は誰よりもこの国に犠牲を払った。
誰よりも貢献し、誰よりも報われなかった。


私たちの神はこの国の神ではない。
青い瞳で ブロンドの髪の 白い肌の神ではない。
私たちをかどわかし、奴隷にした神ではない。

私たちが神と呼ぶのは
私たちの神のことだ。
我が人民の 我が祖先の 我が祖先の
黒人の神のことだ。
黒い神のことだ。

至上にして万能の神
アラーのことだ。

私たちと違う姿の神を押し付けられたら
突き返すがいい。

白いのはもう沢山だ
白人との統合は望まない
白人の隣で寝るのは もうご免だ。
必要ない

その白人は今や日光に体をさらして
惨めにも私達をマネようとしている。
黒くなろうと日焼けローションを塗り
白く情けない姿をさらしている。

昔は私たちも白人のことを垂涎の目で見ていた。
愚かにも白人を美しいと信じた。
真実を見ずに。

しかし師モハメッドが教えを説かれてから
私達は賢くなり 真の眼が開かれた

白い肌を見てももう誤魔化されない
情けない青白い姿だ



■思いで話
ボストンのダンスホールで靴磨きをしつつ
マリファナや娼婦を売った

髪のちぢれを取り 流行のスーツを着て
毎日ハイなまま踊り明かした
白人の女の子やハスラーとつるんだ

ニューヨーク行きの列車で弁当を売った

徴兵されると 私は危険人物を装った
「銃を握ったら白人を殺しまくる」と。
徴兵は逃れた。

ハーレムは天国だった
クールで危ない魅力に 5分で虜になり
犯罪の道を歩き始めた


■演説
イスラム教徒が低収入層というより
アメリカの黒人殆どがそうだ

貧しい地区にあるのは 貧しい教育施設
教師の能力も低く 受ける教育の程度も低い。

低賃金の職にしか就けず
結局、貧しい地区にしか住めない
非常な悪循環だ。


この国の黒人から共感を勝ち得るのは
低所得層出身の者でしかない


師モハメッドいわく 
黒人が人類の祖であり
肌が茶、黄、赤や白の民族は黒人が産んだのだと
他民族には黒人を生み出し得ない
つまり全民族の中で 黒人が最も優れていると

最終的に世を制するのは
始めに世界を造った私たちだ。


白人に代弁させるな
代わりに闘わせるな

自らを憎めと教える事は
他者を憎めと教えるより罪深い
私達は自己を愛しているか?


黒人が自立できないのはなぜか?
他の民族に自信が持てないからだ。

白人が私たちの過去を破壊した。
知識と伝統を破壊した。
そのため私達は何を誇っていいのか分からない。
誇ることを知らないから自立できないのだ。

白人なら自分の子供に、リンカーンたち白い英雄の話をする。
私達は黒人の英雄を知らない。
知っているのは綿摘みの仕事だけ
綿摘みに憧れるか?

黒人にものを教えるさいになると
過去の偉大なる黒人の科学者、黒人の開拓者、文化の創造者は
白人によってその名が教科書から削られたのだ。

その影響で現在の私達は
自己への信頼を失ったのだ。


覚醒し 身を清め 立ち上がれ
自らの足で立ち 白人に請うことをやめろ

白人にあやまることをやめろ
歩み寄ることをやめろ
その時はじめて世界は私達を認め尊重する。

しかし白人の名をかたり
ジョーンズやブラウンと名乗っている間は
またアメリカ民主主義を誇りに思っている間は
白人に見下されるだろう
認識も尊重も受けず 問題は解決されぬまま残り
これから何千年も 今の生活を続けることになる。



師は言われた
今こそ自らのために立つ時だ
自らのために 見る時だ
自らの耳を澄ます時だ
自らのため 闘う時だ
代わりに話し 見て 闘う者など必要ない
私達は自ら闘う者なのだ

白人の悪に犯されている間は
神に貴方の祈りが届かない事を 白人は知っている。
しかし貴方が身を清め 生活を正せぱ
神はお答え下さる事も 白人は知っている。

ハーレムに はこびる盗みやギャンブル
あらゆる種類の悪が 私たちの社会を引き裂いている
師は悪に犯された者を責めず 働きかける。
貴方が白人の悪に犯されたからといって 服役しろとは言わない。

神が師に示された教えを説き 
信仰で悪の病を癒して下さる。



私は師モハメッドが更生させた 最たる者だ
イスラムに入信する前 私は悪の限りを尽くしていたのだ
黒人に出来る悪事には 全て関わった
ナンバー賭博 密造酒 麻薬に女
黒人女を白人男に
白人女を黒人男に売り
ハーレムで遊びたい白人の口利きをした

中でも一番の上客は お偉方だ
警官 聖職者 ビジネスマン
父が白人に殺されたのも忘れ
私は彼らと付き合っていた

師モハメッドに出会うまで
彼らを神と崇めていた

飢えで盗みも
21歳で逮捕され 10年の刑
そこで師の教えを読み 私の人生は変わった。
「白人は悪魔だ」という言葉が 私を目覚めさせた。 



過激な牧師の妻
その光りに打たれた
「現実を見なさい 君は黒人なのだ」

私はひざまづき アラーに祈った
黒人にイスラムを説き 白人を告発すると。

師は「法に従い 執行者を敬え」と教えた
しかしそれは法の執行者が 自らを敬い法を敬う場合の話だ



昨年ロサンゼルスで 警察はR・ストークを射殺した
人望の厚い 青年だった
白人に戦争を仕掛けろと思うだろう
報復したいだろう
行動を起こしたいだろう
白人に黒人を殺されたくないだろう

用意は出来ている
これで白人は感謝するだろう
師モハメッドが統率して下さるから
私たち信者は 冷静に落ち着いて 神の裁きを待てる。



民族分離を唱える師を 君たちは責めるが
統合を唱えるキング氏に 白人は犬を放った
これこそ白人の偽善だ
離れればそれを避難され 
寄れば「近付きすぎた」と非難される。

黒人は寝そべっても 仰向けでも悪い 立っても悪い。
何をしていても悪いなら 離れるだけだ。

裁きの日は近いと 師は言われた
アメリカは裁かれる
エジプトやバビロンはヘブライ人を苦しめ
神の裁きで 国を取り潰された
アメリカも同じ危機に瀕している

師モハメッドと 私達を解放しないなら
この国はエジプトの二の舞だ



あなたが何らかの哲学や 福音を信じているなら
どんな種類のものでも 今すぐ役に立たない哲学なら 捨ててしえ
必要なのは 新たな手段だ
今の私たちに 効果のある手段だ

”今の私達とは” 
青い眼の白人に すっかり洗脳された 私達のことだ
青とは限らない(笑)



この国に生まれ育ったから アメリカ人とは限らない
そうだとしたら 登録も憲法の改正も 必要ない

私はアメリカ人ではない
アメリカニズムの犠牲者 二千二百万黒人の一人だ
民主主義の犠牲者 二千二百万黒人の一人だ
偽善の民主主義の 

私の眼は被害者の眼
アメリカン・ドリームは 悪夢に見える



「黒人も銃で自衛を」と言った事で 論争があった
白人は全員 持っている



ベトナムから帰った途端だ



私達は愛してくれる人を 愛する
違う者は 愛さない

非暴力の人には 非暴力で
暴力的な人には 暴力で接する 用意がある

差別に反対していて 
誰かに犬を放たれたとしたら その犬を殺しなさい
刑務所に入れられても 犬を殺しなさい

黒人なら 人生が刑務所だ
黒人なら 皆そうだ 
北部でも南部でも同じ事
カナダ以南は 全てそうだ

アメリカは我々の前に 立ふさがる
その手を 父や母の血で 濡らして

アゴからも血を したたらせる
もうご免だ



■インタビュー
<質問>ケネディを詐欺師だと?

大統領でも 人を欺けば詐欺師だ
選挙中 彼は黒人に公約を示し 票を稼いだ
当選したら 黒人との公約は 放りっぱなし 
黒人を騙した

カストロに反対したり フルシチョフやベトナムに関わっても
事が自国内の 黒人問題となると
暴動にも 高見の見物を決め込んだ

したがって 「暗殺は自業自得だ」との声明を発表した。



■除名発表と返答
>師モハメッドの声明です−−−
「マルコム・シャバス氏のケネディ大統領暗殺に関する声明は、イスラム教徒を代表する見解ではなく、彼個人の意見であると考える。
我々は一定期間 彼の発言を禁止する。」


>返答
「先の声明で90日間の 謹慎となったが 声明は曲解されていました。私が言ったのは 暗殺は憎しみの産物だと。
『自業自得』と言ったのもその意味です。

<質問>この国で進歩があったと感じます?

そのようには全く感じられません。
刺さったナイフを 少し抜いただけ 
傷を癒すという進歩には ほど遠い
まだ先は長いよ

90日間の謹慎処分を、無期限に延期すると通告されました。
その結果、私はブラック・モスリムを脱退することを決意し、ここに発表します。



■演説
私は師モハメッドを信ずる者だ
私は今もイスラム教徒だ
組織には 障害もあったが
今も師の理想の実現に 貢献する自信がある。

師の理想を実現するには 内より外に向けた 活動が効果的だ
これから私は独立する
誰とどう動くにせよ 今後の目的は いま直面している問題を すぐ解決することだ
最善の道はアフリカに帰ることだが 
帰れる日まで 食料や寝場所が必要だ
服も 子供への教育も 働く場所も必要だ
いかなる形であれ 以上の権利を手に入れるため 私は行動を 起こし続ける。

私たちの組織は ハーレムで始まる
ここは地球上で 一番多くアフリカ人を 抱えた町だ
アフリカのどの都市より アフリカ人が多いのが ハーレムだ
私達はアフリカ人だ

アフリカの兄弟は 私達より先に独立した
私達より早く 人として認められ 尊敬された
10年前までアフリカは占領されていた
占領され 抑圧され 搾取され 侮辱を受け
あらゆる弾圧に苦しんだ
それがたった10年で 独立を獲得し 認められ 
人間としての 尊厳を獲得した
自由と平等の国に住む私達は まだ何も手に入れていないのに。


新しい橋をかけよう
私たちの意識では アフリカはまだ遠い国だ
その意識を変えるため 新しい橋をかけよう
アフリカ理解し 私達自身を理解して 2つの大陸をつなぐ 交流の橋をかけるのだ
交流のラインが確立されれば アフリカの兄弟は 私たちに手を伸ばし 私達も彼らと手をつなげる
その時 青目の男達は 私達への力を失うのだ


人を迫害した男が 人の護身方法について とやかく言う権利はない
誰かが私を虐待すれば 身を守るために 私は手段を選ばない
白人を責めてはならない
責められるべきは 政府だ


■メッカ巡礼のインタビュー
<質問>白人イスラム教徒と接したわけですが、非イスラム教徒の白人と黒人の関係については考えがかわりました?

巡礼をしていた間に 白人のイスラム教徒と親しく交流しました。アメリカで白人と言われる人たちです。
彼らは自らを白人ではなく人類の一員だと考えます。
人類の家族と。

それぞれの民族も同じ家族の一員なのです。
彼らはは外見も 雰囲気も態度も 自分を”白人”と名乗る白人とは違います。
その違いの原因がイスラム教ならば アメリカの白人も入信すれば 交流も可能かも知れません。

メッカの道中 私はアラーの言葉を思い出した
「巡礼者を賛美せよ 徒歩やラクダで来る者を。深い谷から来る者を」 

イスラムの聖都メッカで友に手紙を書いた。
『誠実なもてなしの心と 真の兄弟愛が アブラハムたち預言者の里では まるで普通に存在する。
僕らしくないと思うだろう。
しかしこの光景は 僕の思考パターンを変え、僕は偏見を捨てることが出来た。
この11日間、こちらの人と同じ物を食べ、同じ物を飲み、同じ床で寝て、同じ神に祈った。
彼らの瞳は深い青で 髪はブロンドに輝き 肌は透き通るほど白かった。
神への信仰が 彼らの思考から”白さ”を取り去り、行動や態度から”白さ”を取り去った。
巡礼の衣装に身を包み、カバーを7周した。
ゼムゼムの泉を汲み サファとマルワの間を走った。
アララット山に立ち 賛美の祈りを捧げた。
主よ ついに来ました。
平和のうちにお導き下さい。

39年間の人生で僕は初めて創造者の前に立ち 人としての充足感を得た。
エル・ハジ・マリク、エル・ジャパスことマルコムX』